2020年03月25日

K.V.ウォルフレン 『日本の知識人へ』

yuka

日本の官僚批判で目の覚める本を出して大きなセンセーションを引き起こしたウォルフレン氏の、今度は知識人に対する臨む姿勢を書いているのが本書ですね。

当然、再び官僚批判もしたためています。

wolfgang.jpg
K.V.ウォルフレン


政治的関心をもつ日本のほとんどの学者は、単に政界の出来事を述べるにとどまっているということですね。

これが暗に公然と、権力保持者たちの行動や諸関係を正当化してしまっているということですね。


やはり物事は何でも末節的なことを処理していたのでは、解決にならないのは明白ですね。

やはり根本を改善しなくては。

その根本とはなにか?

ウォルフレン氏にいわせれば官僚制であり、日本という国に敷衍しているシステムである、ということですね。

その内容に関して知りたいという方は、この本や他の氏の本を熟読することをお勧めしたいですね。

この本は、日本の知識人への呼びかけが主軸ですが、日本の政治環境をその全側面にわたって自立的かつ誠実に監視している人がどれだけいるかという疑問を投げかけているのですね。

政治的な兆候に近視眼的に関心を集中しがちであるということですね。

日本の官僚は他の先進工業国の官僚よりも強大な権力を保持しており、その権力を保持する制度的規定面で日本ははるかに後れを取っているということです。


以下の分野においてであるとしています。


資源+資金の大規模投資に分配する予算編成権

補正予算を分配する権限

その他、超法規的権限


これらが、権力主義的計画に中心的役割を演じたということです。

gaimu.jpg

日本は官僚の権限が強いがゆえに、日本の市民が幸福になれないということで、そのの代表的な著書である『人間を幸福にしない日本というシステム』に書いてあるのです。

その詳細は、増補版である『いまだ人間を幸福にしない日本というシステム』を読んでいただきましょう。

それは明治から始まるもので、決められた権限を遂行していくことにしか頭にないということを批判しているのです。

その遂行のために取り組む姿勢や行動については非常に優秀であるとしているのです。

しかしその問題点については目をつむり、それを良き方向へ変えていくための代案制作といった面については全く無頓着であるというところを批判しているのです。

決して自分の意見と違うからという理由で批判しているわけではないことはお断りしておきましょう。

そんな単純な理由で批判している学者ジャーナリストであれば、私もを称賛してここまで文章を書かなかったことは明白です。

しかし、その自己目的推進のために、あの大戦時に官僚は国民大衆にうそをついたということです。

その嘘の内容については本書などをご覧いただきましょう。

そのことについては、軍部よりも官僚の方が罪は重いというのです。

その官僚のシステムは敗戦の45年以後と以前に制度的断絶はなかったということです。

日本に検閲はないが、知的摘発調査という独立した分野がないということも驚いたのです。

rebanon.jpg

これは、日本に対する異常な好奇心を持って研究していこうとする姿勢がなければ発見できなかったことでしょう。

それも、海外の複数の国の政治制度の研究をもって初めて可能であることは間違いないでしょう。

このウォルフレン氏が推し、そして氏の本のなかで紹介しているターガート.マーフィー氏のことが思い起されます。

こんなものすごく深い研究と分析がよくできたなと感心した次第です、そのマーフィー氏の本を読んだときには。

それと同じ衝撃を、この本を読みながら受けたのです私は。

経済機構を管理する官僚と官僚実業家が自分たちが蓄積した富を、そのために働いた人々と分かち合うことをしない。

経済的異常の責めをアメリカの財政、貿易赤字に負わせ続けている。

アメリカの保護主義を誘発しているのは、日本の保護主義である」と断定しているのです。

これは国家と国家の対面において大事な自己主張をすることの重要性と、自分が不作為でいることで生起す事象について厳しく発破をかけていると私には感じたのです。

日本は古来から争いを好まないという国民性であるということが日本の学者知識人たちから説明されることがしばしばあったことは確かです。

ことが悪い方向へ行っているにもかかわらずなにもしない、自分の意見を言わない。

しかし、それでは不作為によって、悪い方向へますます行ってしまうことは明白です。

等質性と調和を達成し、コンセンサスを通じて問題を解決したいとする天性の願望とによって決まると信じる学者たちを棚に上げているのです。

「習慣は一見尊く見える、現状維持に熱心な人にとっては。

一番批判に値するのは政治家であるとの評価を是認しがちで、政治家の中で中央省庁の役人に匹敵する影響力を保持するものがごくわずかであるということを忘れてしまっている。

前近代的政治機構物が、日本の基本的組織原理として提示されなければ、こういう分析もそう悪くないだろう。

独裁政権があたかも徳を体現し自然の法則にしたがい、生まれながらにして慈悲心に富んでいるかのように見せかけている。」


という日本の批判をしているのです。

これは非常に目の覚める議題でしょう。

kyoudai.JPG

やはり我慢して、自分の意見を言わずにいる。

それが大人の人間として望ましい理想像であるということを喧伝して、そのような人間を大量につくれば権力側にとってこれほどやりやすいことはないですね。

そうではなく、きちっと事態を分析したうえで、何が大事かを明確に表明することが大事であることは間違いないですね。

それこそが、悪しき事態を改善するための基本的かつ最重要なことですからね、そのことの重要性をこの本を読んで目が開けた気がします。

そのような深く広い分析をすることを日本の知識人にウォルフレン氏は望んでいるのですね。

こういった日本社会の内容をつぶさに見ていくと、やはり日本は他の先進国に後れを取っているということでしょうか。

それは諸外国との深く広い分析を持ったうえでの比較によって可能であることは間違いありません。

そういった面でいまだに近代国家ではないということでしょうか。

私が推奨する小室直樹氏『日本、いまだ近代国家にあらず』という本を出していますが、それはウォルフレン氏と軌を一にするものなのかどうか興味のあるところですがどうなのでしょうか?

最後にウォルフレン氏は、日本の権力保持者は真実の自由市場経済を達成するためには、あまりにも互いに反目しあっており、真に新しい最優先政策を導入できるだけの権力を保持しているものがいないという事です。

日本の経済が、真に日本国民のためになっていないということも、他の本で書かれていることですし興味の深い議題でもあります。

その吟味をしていくこともまた面白いことでしょう。

そういった内容に興味を持った人には読んでいただきたい本ではあります。

●この本は以下よりどうぞ!
  ↓



参考図書 『いまだ人間を幸福にしない日本というシステム』

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム (角川ソフィア文庫)

sitterGRP_0161.JPG

『いまだ人間を幸福にしない日本というシステム』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/404153213.html?1442740078

『日本に巣食う4つの怪物』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/411025348.html?1442739448

『アメリカからの独立が日本を幸福にする』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/416108583.html?1442739522

『偽りの戦後日本』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/419390846.html?1442739842

『アメリカとともに沈みゆく自由世界』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/403562125.html?1442740154

『この国はまだ大丈夫か』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/403116925.html?1442740217

『怒れ!日本の中流階級』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/474007969.html

『年収300万円時代 日本人のための幸福論』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/376743327.html?1442740414

『独立の思考』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/369324554.html?1442740685



おススメのネット本スーパー 『honto』です!

書籍や電子書籍を買うごとに、100円につき1ポイントが貯まります!

そのポイントは、また書籍や電子書籍を買うときに使えます。

更に会員になると、毎月10%あるいは20%の割引きのクーポンが送られます。

電子書籍なら30%offの場合も!

こんなサービスのいい本屋さんのサイトは知りません!
  ↓













posted by ロックさん at 21:31| Comment(0) | 現代社会論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする