2020年06月16日

森清 『怒らぬ若者たち』

yuka

このかたは、法政大学に入学しながらも2年で中退して、働きに出たようですね。

この本が出された80年に、日本ではまだ新人類などという言葉はなかったでしょうが、この頃は既に社会が豊かになり、それ故に戦中戦後直後に生きてきた人とは違う考えの若者が多くいたでしょう。

しかし、それは社会が変われば、人の考えも当然変わるという古今東西変わらぬ事実を見据えていたがゆえに、やはり中立的な立場でものを考え、そして論文を書いているのですね。

それは非常に大事な態度であると思います。


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何故なら、事には何事も良い面と悪い面があるわけで、こちらを採択すれば必ずうまくいき、こちらを採択したらすべてうまくいかないというようなことは絶対になりからです。

戦中戦直後の世代は、とにかく文句を言わずに働き詰めることがいいことのようになり、それに疑問をさしはさまずに働いていた人が多かったのは言うまでもないでしょう。

しかし、その世代より下の人が、大学へいき、卒業すると、そんながむしゃらなことは少なくなり、働くよりも余暇や趣味に生きがいを見出したいということを考える人が出てくるのを、この作者は多く見てきたのでしょう。

やはり自由がほしいという考えを持つ人が多くなるのは必然でしょう。

自由を謳歌したいがために、わざと大学を留年するなどという人が出てくるのを目の当たりにしたのも必然でしょう。

かつては怒ることが、エネルギーを発散する手段であったのが、この当時の世代の若者たちは、怒らずに趣味や自由や余暇にいそしんで怒らなくなったということですね。

それゆえに『怒らぬ若者たち』という表題を付けたのでしょう。

それがいいか悪いかという善悪二元論ではなく、その違う世代を比較して、互いにいいところと悪いところを吟味しながら、互いの向上や内容の昇華を狙うのが最適なのでないでしょうか?

確かに自由過ぎるのはよくないでしょう。

高校時代から、上の世代の人から大学の退嬰ぶりを聞かされてきました。

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そして大学に入学すると、その言葉通りで驚きました。

ほとんど講義に出ずに、年末だけ出て、そこでメイトからノートを借りてコピーしてそれだけ勉強する。

周りのコンビニは、そんな大学生でいっぱいでいつまでたってもコピーできない感じで(笑)

まあ私は全部出ていたのでコピーとは無縁でした。

こんな大学生が、社会に出たらどうなるんだ、ろくすっぽ仕事などできないで、中退してしまうんじゃ、などと思ってましたが、そんな心配は杞憂でした(笑)。

ただそんな大学時代を送っていたのは、ただ勉強が嫌いだったというだけであって、それが=仕事ができないということではなかったようですね。

自分で選んだ好きな仕事であれば懇親的になるのは当然です。

また自分の下の世代に対しても中立の態度で接するのが最適でしょう。

自分は苦労してきた。

だから苦労知らずの人たちは、私にかなうわけはない、と考えるのは早計で、私が彼ら彼女らに勝っている部分もあれば劣っている部分もあります。

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ですから、苦労してきた、だからなんでも自分が優っているというのは、あまりに短絡的な考えといわざるを得ないのです(笑)

ただ、あまりに自由過ぎるのもいけませんし、それをただ傍観しているだけでもいけないでしょう。

その自由過ぎることが問題で、どのような弊が出るのかを知ったら、それをふさぎとめる工夫をしないといけないでしょう。

そのためのこのような本なのですから。

また、自分が得てきたことも知恵として使用していかなくてはならないでしょう。

また自分の世代がすべてではありませんから、下の世代からも学ぶところは謙虚に学ぼうという気概を持たなくてはならないでしょう。

この本を読んでそんなことを考えました。

ただ、本というものは社会に存在する問題を良き方向へ向かわせるために存在するのですから、この本を1冊よんでもうOKだみたいな、快刀乱麻的な本は存在しないです。

いろんな本を読みふせていくことが大事であると思っています。

その一環として役立つ本であるということは保証したいです。

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posted by ロックさん at 16:14| Comment(0) | 現代社会論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

南原繁 『人間と政治』

yuka

この本は昭和28年に出されたものですが、今も版を重ねて売られているから驚きです。

日本を代表する政治思想学者として著名な丸山真男氏と同じく、この人の名声がかなりの程度口づてに伝わり、大学の政治学の講義でも推薦されているのでしょう。

ただ私は、丸山氏の本は非常に難解で読みづらいので推す気にはなれないのですね(苦笑)。

しかし、講演の内容を中心に収められた『日本の思想』に関しては読めて理解できるので推したいですね。

しかし、南原氏の本は、読みやすく理解も充分できるので、ここで推したいですね。

この本が出された当時は、やはり戦争に日本が負けて、それまでの反省と回顧を中心になるのは必然でしょうし、それから先の展望にも当然なります。

やはり戦前の圧迫と搾取の実態をさらすのですね。

生活の欠乏から解放された新たな国際社会、世界共同体の建設にいそしむのが目標であったようです。

国民の勤労の権利と最低限の生活権を保証するのが眼目になっているのがわかります。

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過去の事実の人為的な改作、それは民族主義歴史主義に求めたゆえに、日本の軍国主義は暴走したのだといいます。

これは目の覚める分析の仕方ですね。

ゆえに日本民族は神的な種族に昇華した、ゆえに世界を同化しなければならないという思想になったのだといいます。

そこでおこなわれていたのは独裁的統制集団的組織化が行われていたのです。

その反省から国民主権を確立したことになります。

皮肉にも、このような立場があったにもかかわらず、日本には発生しなかったですが社会主義国では、この独裁的統制と集団的組織化が行われてしまったのですね。

その社会主義国は、また新たなファッショでしたね。

やはり違う形で歴史が繰り返してしまったようで悲しいですね。



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しかし、日本ではその戦前の反省からファッショ化はなかったですがやはり人類の脳内からその歴史が忘れられていては、また繰り返してしまうから注意が必要です。

その面だけでなく、近代科学への警鐘を鳴らしているのも興味深いですね。

この本では、「生産が人間のためになっていたのが、今では人間が生産のために」という文言が書いてあるのですが、ここを読んだときにまた当時はやった社会主義称賛の論文かと思いましたが、そうではなかったですね。

近代科学への無条件の信頼ではなく、楽観主義を批判しているのです。

これは私も同じ立場にたつものです。

やはりどのような事や物も、完壁なるものはないですから、それが暴走しないように目を張ってないといけないということです。

同じことは、日本の宗教や軍隊に対しても発しているのです。

宗教は神のためと同時に人間のためということを書いているのです。

やはりそこで導き出されるのは、戦前の現人神の思想でしょう。

それがエスカレートすることで、無批判になり、軍隊の暴走になってしまったのは頷けるでしょう。

軍隊に対しても同じで、戦争や軍備に対しても中立的な立場になるものです。

そこでも傍観主義、日和見主義でもいけないということです。

諸国家共同体の国際組織を確立していくことの提唱をしているのです。

と同時に国民の知性と道徳の確立を唱えています。

それも、この本の最初から最後まで一貫しているのです。

他の何か宗教を持ち込むべきであるとか単純な移植論で済ますのでもなければ、安易な傍観主義でもないのがいいところですね。

また新たに勃興していた社会主義思想にも安易に与してないのがいいところと思いました。

これは昭和28年に出されたものですが、中国の現実をみて圧制が行われているのを見て、批判的になっていますね。

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昭和40年代50年代においても、いまだに社会主義を真なりと信じて疑わずにいた学者や文化人がいたことを考えれば慧眼ものでしょう。

この南原氏は、単に海外で勃興した思想や運動のムーヴメントに対して、闇雲に模倣して、それを日本でも取り入れるべきであるという結論には達していないのが、共感できるところです。

それらの潮流は、その国々の様々なことが要因になって起こったのであって、その条件が違っている日本がそのまま模倣をすることで、打開策が開けるというようには考えてませんので、その安易な取り入れには賛同できないのですね。

であるからして、この南原氏の立場を支持するのです。

そういった面を垣間見ると、非常に奥の深い学者であり教授であったのがわかります。

やはりそういう奥の深い人を知識人として見習いたいのならば、この南原氏の本は非常に参考になります。

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posted by ロックさん at 12:17| Comment(0) | 政治学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする