2021年03月28日

加藤秀俊 『続.暮らしの思想』

筆者の加藤秀俊さんは、私が大学時代に古本屋である1冊を買って読んで、その文章に惹かれて、この人の本を古本屋で見つけて一気に何冊も買って読んでしまった経験のある人です。

このような経験をさせてくれる人はまずいないです。

そういう経験のある文筆家が1人でもいれば、その人は幸せでしょう。

加藤秀俊氏は、何気ないものごとについて非常な好奇心をもって色んな角度から眺め、その意義を探り出して論じる能力が高いというのでしょうか、その筆致が非常にウィットに富んでいるのです。

いろんな森羅万象について好奇心が強くてそれを論文にしてしまうので、その出した本の数は無数にあります。

その本の数は私でも正確にはわからない程です。

大学教授に生態に異議を唱えた桜井邦朋氏の文章で、大学教授たるもの本を出し続けなくてはいけない、という部分があったと思いますが、それについては同感ですね。

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高い授業料を払って大学にいったのは、教授たちにお金を払っていた事にもなるわけで、その成果を表に出してほしいものですね。

しかし、大学というのは学生のみならず教授たちもサボろうと思えばいくらでもサボれる組織なのですね(笑)

数十年を大学で過ごしていながら、本1冊も出さないで終わる人もいるわけですから、これほど惨めな話はありません。

しかし、そんな教授とは一線を画しています加藤秀俊氏は。

この本では、いろんな文化的な事象や、ものについて考察をしているのです。

言うなれば文化批判、そして広く文明批判といったたぐいでしょうか?

批判というと文句を言う、というニュアンスで捉えられそうですが、その面だけではないのです。

やはり考察を深くこなしているわけですから、よいことはよいとしているのは真の批判というものでしょう。

老舗のクッキーメイカーのクッキーや老舗の米屋のが量産に踏み出したことで、それらの味が落ちたことを嘆いている章があります。

これは単なる文句ではなく、そういう結果になってしまう古今東西に共通する現象として論じているのです。

それまで美味しいと感嘆していたメイカーの食べ物がそのような事になってしまってはやはり寂しいのは言うまでもないことですね。

また、かまど七輪を炊くことで家族や親族の団らんを形成していたことが、文明化のなみに押されて消し、あらゆるものが電化に取って代わられて行ったのです。

また、近所で落ち葉を拾って、それを焚き火にしたり、それのみか焼き芋を焼いて大勢の人間と団欒を形成していたのも事実でしょう。

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そんな幼少期も自分にあった事は間違いないですが、そんな知らない者同士のカウンターパンチでの団欒といった経験を今の東京ですることはほぼ不可能事ではないでしょうか?

そのことによって人との結びつきを物理的にも精神的にも失っていったのは明白でしょう。

そののような結果はどのような因果で起きてしまったのかも当然明らかにしているのです。

このような何気ない事象の変化によって悪い変化が起きてしまっていたことについては誰しも認識しづらいことでしょう?

やはりこのような事象の分析をされた本を読むことによって改めて認識することができるのではないでしょうか?

そういう経験が、加藤氏の本を読んでたくさん経験してきました。

そういう例として、過度な分業化によって人との関わりの希薄化を描いているのです。

それは、他の加藤氏の本で明らかにされて、私はピンときたのです。

そこで自分は何をするべきか?

この昔日に経験した心あたたまる経験を実現すべく、自分がそれを日常生活で実践することではないでしょうか?

心理学の本で読んで知ったことですが、人間は2通りのタイプがあって、1つ人との心の交流を大事にするタイプ。

もう1つは、人との心の交流など一切興味なく、傍若無人かそれに近い態度で接しても何ら心の咎めを感じないタイプ。

この2種類のタイプがあるようですが、加藤氏は前者に相当するのは明白です。

そんなタイプでなければ、私は決して尊敬もしないし、関わりを持ちたくないですね、一切。

前者タイプであるがゆえに、このような趣旨の本を多く書いてきたのも頷けるでしょう。

文明化の波に押されて、人との団欒が失われてしまった、だからといってそのまま何もしないでいるだけでは、それこそ哀しいことですね(笑)

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それがもっとも思ったら、それを実践する。

そんな人間像が私の理想とするところですね。

そんな人間を加藤氏の本をこれからも読みながら目指したいと思っています。


●この本は以下よりどうぞ!
  ↓



その他、加藤秀俊の本について紹介した頁!
  ↓
加藤秀俊の本


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posted by ロックさん at 20:08| Comment(0) | 生態学 民俗学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする