2021年04月30日

飯田経夫 『鏡の中の「豊かさ」』

飯田経夫氏は大学時代にある本を読ませてもらい、その読みやすさと明晰さに感銘を受けて、それから何冊も氏の本を買っては読んだものです。

これまで人類が蓄積してきた理論を紹介するのも結構ですが、それだけでなく、それを自分が生きている現代社会に照射して、そこら何を得るか、何を活かすか、そこからどういう人生を生きるべきか、ということを考え行動していかなくては科学は学んでも意味がない、という結論に私は達したのです。

そうでなければ、知的遊戯のまま終わってしまい、学んだ意味がないでしょう。

確かに知的好奇心の赴くまま、そういう知識を得るだけで終わってもいいでしょうし、それはそれでその人のモラルですから批判するには当たらないです。

しかし、現代社会に照射して何事かを考えるという作業をしたほうが自分のモラルにはあってますし、そういう作業をされた本の方が読んでいて楽しいです。

飯田経夫氏はまさにそういう作業をしている著作家でした。

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この人は経済学者ですが、インドネシアに赴いて、そこでの経済発展を観察した記録と、そこで抽出した理論を書いているのです。

そういう作業こそがもっとも私が読むのに合うものでした。

インドネシアに赴いて、飯田氏が発見したのは、インドネシアでは日本のように毎日24時間電気がつけれることもなければ、きれいな飲める水が毎日使えるのも当たり前ではない、ということのようです。

これは40年以上も前に出された本ですから、その状態からは改善されてはいるでしょうが、大幅な改善はされてはいないのではないでしょうか?

最近に読んだ本やネットなどの情報から推察するにです。

やはり経済発展は、条件が整った国でなければできない話ですし、やはりインドネシアのような熱帯では、その気候が大きな妨げとなっているのです。

そのような国では、経済発展に必須の教育の施しもかなり苦渋です。


このような暑い国では、施しようにも休まなくては過ごせないですし、教育どころの話しではないのですね。

冷暖房を設置するにもかなり無理をしなければならない。

そして物を作り、売るにしても、その輸送するための手段や、それを通らせるための道や線路の整備もかなり時間と期日のかかる作業です。

ゆえに、かなり無理をしなくてはいけない。

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このような事情を考慮すれば、日本を含め、先進国はいかに恵まれているかがわかります。

これは決してこのような国を蔑んでいるわけではないことをお断りしておきます。

飯田氏は、「高度工業化や産業化を達成できたのは、ヨーロッパ北西部プロテスタンティズム文化圏諸国北アメリカ、日本、NIESという地球上のごく一部の国々だけであり、低開発国の離陸がいかに難しく困難な道のりであるか」を説いています。

どのように困難かは、他の経済学の本を読んで勉強すべきでしょう。

そういった本を読んで、日本はそういった国にどのようなスタンスでいるべきであるか、色々な選択肢があるのですが、それを考え日々の生活で行動していく事が重要でしょう。

また日本の行き方に対して、ジャカルタで暴動が起きたことについても、やはり相互の誤解によってなされていることを説いています。

文字を知らない人、ゆえに本も読めない、ゆえに情報を検証することもできない人は、やはり急進的になってすぐヒステリックになって行動してしまう弊があるのがわかります。

それは戦前の日本にも当てはまります。

もっともらしい情報を流されたら、それを鵜呑みにして急進的な行動に走ってしまう。

そのような性質ゆえに、社会主義国は、アジア、アフリカ、東ヨーロッパなどの文盲率の高い国で多く発生した事は頷けます。

しかし、文盲率の低い国ではそうそう踊らせる事は難しいし、社会主義国もそんなに発生しなかったのでしょう。

このような急進性を防ぐには、やはり多くの人が多くの情報に接して、それを現地に赴いて、そこを理解していく作業を地道に続ける以外にないでしょう。

他国についての情報はすべてが本の中にあるというのは間違いで、実際に赴いて自分で判断するのが一番です。

その事は日々、外人と多く接しているいまの自分の経験からわかります。

噂などで判断するのではなく、実際に話す、一緒に仕事をする、という作業が必須ですね。

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そのような理論を読んでいて自然と思い浮かべてしまう本、あるいはそういうことを中で書いてある本こそが読むに値すると思います。

ある社会学の理論を整然と並べているだけで、その理論の現代社会への照射が全く行われていない本を最近読みましたが、それは確かに読みやすかったですが、印象に残った点が少なかったので、いつしか本棚にしまったまま何年もたち、そのまま古本屋行きになることは間違いないでしょう。

そのような本を読んだ後には尚更、興味深く読ませてもらいました。

飯田経夫氏は、どの自身の本でも「経済学は社会哲学でなければならない」と書いていましたが、それには賛同しますが、経済学のみならずどの科学も同様と思っています私は。

まさに、どの科学も、生きる場の哲学なのですね。

そういう題名の本がありましたが、まさしく言い当てて妙という気がします。

飯田氏は、この本の152ページ「まず自分自身の問題として考えようではないか」と呼びかけているのです。

私が大学時代に外人の友人を連れて、バイト先の飲食店につれて食事をしに行ったら尊びの目で見られましたが、昨今では外国人の知り合いがいても全然珍しくないです。

日本人であろうが、アフリカの奥地で住んでいる人であろうが通用する態度で接する事が必要でしょう。

やはり毎日声をかけて話す、貶すのではなく褒める、飴でも何でもいいからプレゼントをする、こういった作業は日本人でも外国人でも良き関係を構築するのに通用します。

そんな態度の積み重ねが何よりも重要であると思います。

そんなことを考えさせてくれる本である、ということを明記したいと思います。


それに、国と国が相互に必須であるという関係にある現代においては、やはり対等に考える、という姿勢が求められます。

先進国であろうとなかろうと、その言い分については深い考えと検証をもって自分の考えを述べる、という姿勢がこの本でも、のちの飯田氏の本でも貫かれてます。

その述べられた内容については非常に学ぶものがありますから、興味の湧いた人は読んでみるのをおすすめします。

それはここでも書かれていますから、まずこの本を読んでみるべきでしょう。

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posted by ロックさん at 17:05| Comment(0) | 日本経済論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする