2021年05月26日

梅棹忠夫 『私の生きがい論』

生きがい、というと大それたものを想像してしまいますが、それは杞憂です。

生きがいとは人間が周辺に変化によって変わって来るということがわかりました。


生きがいの反対の死に甲斐というのは日本の武士の時代にもありましたし、第ニ次世界大戦のときがまさにそうでした。

戦場で死なずに戦わずして怖気づいて戦場から逃げて帰還してきた人に非国民のレッテルをはられて苦労した家族のことが漫画『ハダシのゲン』に書いてあるのを思い出しました。

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その第二次世界大戦の終了後は、焼け野原で1から再建のし直しであったのです日本は。

ゆえに色んな会社でフロンティアがあったので、会社での仕事こそが生きがいであったのは言うまでもないでしょう。

しかし国家が再建をほぼ果たしてしまうと、やはりモーレツ社員なるものが減少してしまうのは自然な成り行きでしょう。

そういう事を嘆く人は、その社会的背景を見なすぎる、という梅棹氏の言葉には頷けるものがあります。

誰もが頑張れば重役になれるという時代は終わったのですし、それになるよう猪突猛進するのは馬鹿げているのは言うまでもないでしょう。

ある程度、頑張ればそれでいい…そんなスタンスを勧めているのです。

やはりモーレツ社員ではなく、そこそこ頑張っていればいい、という人の多くの出現。

これがこんにちの契約社員やフリーターの大量発生でしょう。

社員にならずに、仕事も人付き合いもほどほどにする。

そういう人が増えていしまったのは当然の成り行きでしょう。

技能があるにもかかわらず契約社員やバイトで生活していく…それで何ら心の咎めを感じない。

それはそれで個人の自由ですが、こういう人たちの寂しいところは、人付き合いをおろそかにしていることですね。

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遊びや飲み会に誘っても断られる…それはたまにならいいでしょうが、毎回毎回これでは寂しい気がしますね。

キチンと社員になって働いている人と、契約社員やバイトで満足している人のどちらが人付き合いがいいか?

言わずもがな前者なのですね。

そういった理由で、私は契約社員やアルバイトで食いつないでいくというような考えにはならないですね(笑)

そして梅棹氏は、そんなモーレツ社員になることをすすめるのではなく、何事も適度にする事を勧めているのです。

全集も出ているほどの人が書いているのだから、そんな人生の姿勢でいいのだろう、という人が出てきてしまっては危ないので補足しておきますが、何事も適度にという言葉で、いいかげんというような事を想起してしまう人がいるかも知れませんがそれは絶対に辞めておきましょう!(笑)

そんな適当に仕事をしていては、ものごとが成就せず、クビを切られること必至です。

ゆえに、仕事にはきっちり全神経を注いで撃ち込む事をオススメします。

これほどの知識人が言っているのだからと言う理由で、そんなスタンスでいては非常に危険です。

この梅棹氏と親交が深かった加藤秀俊氏の文章で、現代日本の知識の詰め込み教育を批判した本がありました。

これほどの人が言うのだから…という思いがして、私は仕事の知識を覚えなくていい、というような勘違いをしてしまい、仕事において覚える事をおろそかにしていた時がありました。

それで全体的な仕事の能率が落ちて批判された事がありました。

それによって私は反省し、仕事はすぐ覚えてしまおう、暗記してしまおうという考えに変えました。

それは本人の勘違いだったんだろう、と言われそうですがそういう部分は当然あります(笑)

しかし、大物著者の本ゆえにそうなってしまった部分もあるのは確かです。

そうならないように、読み手は鵜呑みにしてしまわずに現代社会の現状と照らし合わせて、良き道を採択して進むという姿勢が大事のです。

やはり鵜呑みにしてはいけない、ということです。

自分が意図していない解釈を読者がされてしまうのがわからず、自流の文を書いてしまうことが大物の知識人ですらもあるので、読み手は「そうだろうか?」という遊びの部分を心のなかにいだきながら現代社会を生きていく事が重要でしょう。

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     梅棹忠夫


でもそれは梅棹氏の全面批判ではないですからそこはお断ります。

やはり梅棹氏は分析力が高く、その内容には唸らざるを得ないほど明晰なので、その文章が読みたくなっていつもこの人の本を買っていました。

その最たるものが『情報の文明論』『日本とはなにか』でしょう。

その明晰は梅棹氏が、人類の文明に対し否定的な事をこの本で書いているのです。

工業化によって、食料、エネルギー、汚染、ゴミ、資源…こういった事を科学では解決できない、というのです。

ゆえに、これから楽観視をすることを勧めているのです。

これには驚ました。

この梅棹氏がいうのだから、それも頷けるし、自分も常々そのような思いを長年抱いてしました。

この梅棹氏は、年間100冊の本を読んでいると氏の代表作である『知的生産の方法』に書いてありました。

「読書家というには程遠いですが」と前置きしたうえでですが。

どこが読書家ではないのですか?と思いましたが(笑)。

それだけの読書を長年重ねてきた上に、無数の本を書き、研究を重ねてきた人が書くのですから、やはり…と思わざるを得ないですね。

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私の在籍した大学で、梅棹氏と同じ「人類学」を専攻する助教授も同じようなことを、その講義のテキストに書いていました。

これから先、人類の滅亡は避けられない、ということをその本で書いていましたし、講義でも言っていました。

同じ畑なので、興味がてら「先生は梅棹忠夫氏とはなししたことはありますか?」ときいたことがありましたが、「あるよ!!」という返答がされました。

やはり影響があったのでしょうか?

しかし、だからこそ科学的思考を誰もが磨いて行動していかないといけないのではないでしょうか?

そんな反論が出てしまうのですね。

これから先良くするか、悪いまま素通りしていくか…私は前者を選びたいと思うのです。

例えば、温室効果ガスやゴミなどを減らす、といったことは誰にでもできることですし、そういう行動に移すことこそが科学を勉強する意味であると思い、大学でも、また卒業後にも思っていたことですから。

やはり先にも書いたように、大物知識人が書いたからといって正しいわけではないのですから。

そこは鵜呑みにしないで反対したいと思います。

いくら大著作家でも、全情報を得たわけではないのですから完璧ではないでしょう。

もちろん私も。

しかし、この本を読んでどう感じるか、批判するか、賛同するか、あるいはその中道か?

それは読んだ人に任せます。


この本は81年の出版により、本では入手は中古でしかできませんが、電子書籍でも可能なのです。

昔ながらの本では、これまでの人類が重ねてきた本の量があまりに多いので、これだけ昔のをいまでも新本で出すのは難しいゆえに、電子書籍にしたのでしょうが、これだけ昔の電子書籍でも入手可能であること事体がすごいですね。

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posted by ロックさん at 15:06| Comment(0) | 現代社会論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする