2014年03月17日

加藤秀俊 『メディアの発生』

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この題名を見ると、何かコンピューターやテレビ、ラジオなどの媒体をあつかったもののように感じるかもしれないですが実際は違います。

初めは、あの世の言葉を伝えるイタコから、この世のものでない「カミ」や「ホトケ」などの宗教といわれるもの、あるいはいにしえの技芸にいたるまでそれらが太古の昔から人間社会に与えた効果や意義をわかりやすい説明の仕方で描写されています。バスケットボール

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この著者である加藤秀俊さんやいろんな書物の媒体に触れている人たちの基本的なモラルとして、 「1つの宗教に拘泥しない」ということがさらに浮き彫りになりました。

宗教というのは、1人のカリスマ的な人物のいった思想に感銘を受けた人々が、その思想を継承すべくいろんな人たちに語り、その思想を共有しようという行為にほかなりません。

時代やその風土などによって、それは変形、加味、訂正されながら継承されるという宿命がありますし、その受け入れる人の価値観も当然違いますから、

「この宗教こそが、万能の世界普遍の宗教である!」

などどいわれても私にはピンとこないのです。ふらふら

加藤秀俊さんも私と同感のようです。

その土地の風土や気候、時代背景によって変形せざるを得ませんから、それを風土や気候、時代背景が違うところや人に伝えても合わないことは当然ながら起こるのです。

ですから、この宗教もいいしあの宗教もいい、という併存の考えがあってしかるべきと思います
し、私や加藤さんもそう考えています。猫

1つの尺度で価値判断をし、それ以外の価値を取り入れないことは間違いであると思います。リゾート

宗教にゾッコンになる人は大抵本を読まない人が多いです。ふらふら

その宗教の本以外は読まない…好奇心がないのですね。

その宗教の機関誌がすべてであると思っているから、他の価値を受け入れることができないのです。

確かにその機関誌にはいいことが書いてあるでしょう。手(パー)

しかし、その機関誌以外の本にもいいことはいっぱい書いてありますから、そういった本をたくさん読めば、その宗教以外からもたくさん学べることができると思います。猫

その機関誌だけを読んでいるのは非常にもったいない話であるのに非常にもったいないと思わざるを得ません。もうやだ〜(悲しい顔)

例えば、他の仏教系の宗教の教祖と呼ばれる人たちは、いきなりある日、神がかりのような状態になり、その宗教の趣旨を民衆に伝え、その趣旨に共鳴した人たちはその教祖に慕い、とことんまでついて行ってその宗教について学び、またその内容を他の民衆に伝えていったということは何も、その団体だけではないのです。眼鏡

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そういった例をいくつか例示されていますし、ある技芸をとことんまで習得するにあたり、山籠もりなどして自然の中に身を何百日も置いて、「カミ,ホトケ」のそばにその力を吸収して技芸をものにした、ということも例示されています。リゾート

この本で扱われているのは中世以降の日本の文芸、技芸、宗教をつまびらかに分析し、その時代の精神がどのように今の日本人に生かされているか、どんな意義があるかを提示されています。

ただのこの時代の文芸、技芸、宗教の描写あるいは素述では、一般的な読者は興味を掻き立てられることなく終わってしまうでしょう。

こういったどの宗教や技芸においても、その団体の形成過程に共通点があるのを発見した時、好奇心が掻き立てられて、心が豊かになり満足感が自分を覆いました。揺れるハート

そのことがわかれば、自分が所属する宗教団体のみが、あるいはその団体が随一であるなどと言うのは思い上がりに過ぎないことがわかると思います。

自分の所属する団体もよければ、他の団体もいい、こういう考えや思いを持つようになればその人の人生はこころ豊かになるものと思われて仕方ないのです…。もうやだ〜(悲しい顔)

しかしこの老齢(75歳)でこのページ数(620ページ)を書くとは…と感嘆の意を表しないわけにはいきませんでした。

生涯現役と決め、それに向かってまっしぐらに進んでいる加藤さんはやり凡人ではありませんでした。


本を大量に読むのみならず、本で読んで興味のあったところには実際に自分の足でその現地にいって情報を集める。ダッシュ(走り出すさま)

そういった数多の行動の中から重要な情報を抽出する作業によって大事なものが見えてくるものです。

大量の砂から砂金を見つけるがごとく…こういった行動によってしか読者を納得させる文章を書くことは出来ないものです。

無駄を省いて貴重な情報だけを得るなどというのは不可能なことです。

そうやって得た知識の中から、教科書にはない知識がちりばめられていて好奇心を掻き立てられて思わず何十、何百ページと読み進めてしまうのです。

読み手のこれからの社会生活を意義あるものにすることにある
そういったことの手助けになる本であると私は思います。

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メディアの発生―聖と俗をむすぶもの







posted by ロックさん at 12:07| Comment(0) | メディア論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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