2021年03月14日

入江昭 『新.日本の外交』

この入江昭氏は、ハーバード大学を卒業したということもあり、国際政治学では世界的に有名な学者の1人であり、外国語にもその本が訳されているということを知って大学時代に驚きました。

やはり簡潔でわかりやすい文体であるがゆえに、明快で読んでいてすっきり感があるのは確かです。

日々、新聞等をチェックして、自分の考えをしたためて、それをノートなりパソコンなりに書き溜めて、データベース化していった軌跡がこの本を読んで感じます。

それゆえに、他の本からの借用あるいは引用ばかりで、面白みのない本を書く学者とは一線を画しているのがわかりますし、他の学者が取り上げない事件や出来事も取り上げているがゆえに、興味のつきない本になっているのは、の他の本も読めば明確にわかります。

この人が書いた本は、日本国際問題研究所からも出されていたことにも関連して、そこに同じく属していた岡部達味氏の本も、同じく感銘を受けたのは間違いなく、それのみか、その岡部氏と枠組みを同じくしているのもわかります。

現代は戦争によって経済問題を解決する時代ではもはやなくなった。

そうではなく、世界全体が経済的に依存し、共栄していく時代であるということを岡部氏からも学びました。

ゆえに戦争を起こして侵略して解決することは、両方にとってデメリットでしかない、ということを知ったのでした。

ゆえに『カミング.ウォー.ウィズ.ジャパン』というセンセーションを巻き起こした本はゲテモノ以外何者でもないのでしょうか?

人種差別がなぜ起こるのかということを書いた本、あるいは人種蔑視はなぜ起こるのかを書いた本を読むと、そこには経済的な搾取をするためのプロパガンダでもあったということを知りました。

negu.jpg


然し、そのようなことをして経済的な利益を得る時代ではない現代においては、そういう差別や蔑視は時代が下がるにつれて下火になっていることを感じるのは私だけでしょうか?

60年代70年代東南アジア諸国に赴いて、そこで現地人を家政婦や召使いのようにぞんざいに扱っている日本人の模様が描かれている本がありますが、それを読むとにわかには信じれないという気持ちを持ったものです。

昨今ではそういう事がほとんど起こらないからですね。

今は中国人、韓国人、朝鮮人、ネパール人、ガーナ人、メキシコ人といった色んな国からの人が共存していますが、そんな差別や蔑視などしている日本人が全くといっていないからですね。

そして、何より日本のポピュラーミュージックが韓流になっているからですね。

hongkong.jpg


外国人アーティストとして初めてBIG BANGなるグループが日本史上初の全ドーム制覇という偉業を成し遂げたという事実は、私の大学時代からはとても信じれない事象です。

まだ当時は韓国人に対する差別などは残っていましたから。

やはり時代が変わると、人々の心も構造的にかわるのでしょうか?

そんなことを考えざるを得ないですね。

そういった関連で言えば、現代における社会主義思想の凋落ぶりにも驚かざるを得ないですね、この本の「アジア、アフリカ、ラテンアメリカの諸国がソ連陣営に降りないように彼らの経済発展を援助すべきだという戦略的思惑に裏付けられていた」(90ページ)という箇所を読むと。

今は、世界で社会主義を標榜する国は5つしかないのです。

しかもいずれも市場経済を選択しているのです。

アメリカソ連がそれぞれ資本主義と社会主義の代表であったわけですが、社会主義勢力がおおきく侮れない、いや侮れないどころか驚異に映っていた時代もあったのがわかります。

こういった世界的な情勢の変化を見て取ることが、この本を読んで発見することができます。

激動の時代であればあるほど、国の内部から宗教的な文化的な勢力が勃興して、それらが良き社会を作るための思想を展開する、ということが現代のような情報がボーダレスになった。

capitaltokyo.jpg


この本は、1990年に書かれたものですが、現代の常識的なことの萌芽がこの頃にもあったことを知って驚きました。

やはりそのことを認識して、市民はそういう働きをするように何らかの行動をすべきなのは間違いないでしょう。

先に戦争観や人種差別観などの時代的な変化を感じるためにうってつけの本であるということを感じましたが、この本は戦前から戦後にかけての詳らかな内容が書かれています。

大学受験のために、日本史を私は選択したのですが、昭和史になると受験も切羽詰まって、その内容、特に事件や出来事の意味連関について詳しく知らず単語だけで覚えていたのですが、これらの知識は、この本を読むことでその意味連関だけでなく、それ以外の知識も加わったほかに、日本史の教科書には書いていない思想的な考えも盛り込まれているゆえに興味深く読めたと思います。

簡潔にわかりやすく書くことにかけてはこの入江昭氏はかなりの上手ですから、それはこの本でも他の氏の本でも同様ですから非常におすすめです。

また読みたい時代や分野についても氏は本を出しているので、読みたい気が今は大きいです。

興味は尽きないですね。

●この本は以下よりどうぞ!
  ↓



weniGRL_0027.JPG

おススメのネット本スーパー 『honto』です!

書籍や電子書籍を買うごとに、100円につき1ポイントが貯まります!

そのポイントは、また書籍や電子書籍を買うときに使えます。

更に会員になると、毎月10%あるいは20%の割引きのクーポンが送られます。

電子書籍なら30%offの場合も!

こんなサービスのいい本屋さんのサイトは知りません!
  ↓













★関連記事

岡部達味 『日中関係の過去と未来』


猪口孝 『日中関係この百年』


posted by ロックさん at 15:55| Comment(0) | 国際関係論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする